ドッグランの利用規約などでよく目にする「ヒート」とは一体何でしょう。
ここでは「ヒート」について詳しい解説と、「ヒート」になった時の対処法をご紹介します。
目次
「ヒート」について
まずはヒートについて解説していきます。
そもそもヒートって何?
ヒート=生理 のこと。
人間(女性)の身体は赤ちゃんを産む為に色々な準備をします。
犬(メス)の身体にも同様の準備があります。
その一つがヒート(生理)です。
ヒートをもう少し厳密に言うと、発情期の期間(前期~後期まで)を指します。
また、犬のヒートは人間の生理とは仕組みが異なる為、色々な違いがあります。
ヒートになる犬って?
メス犬のみヒートになります。
避妊手術をしておらず、健康であればヒートは訪れます。
ヒートはいつから始まる?
通常は
小型犬:生後6ヶ月から9ヶ月
大型犬:生後1年から2年
くらいと言われています。(※もちろん個体差はあります。)
ヒートの期間と周期
【期間】
20日前後継続します。
【周期】
1年間で2回ほどと言われています。
ただ、個体差があるため、期間や周期なども違いがあります。
ばらつきもあるため、あまり敏感にならなくて大丈夫です。
犬の生理サイクルと症状
①無発情期
期間:約4~6ヶ月
ヒート期間外(ヒートではない期間)
②発情前期
期間:約5~10日
出血が始まる。
陰部が腫れる。(膨らむ)
元気が無くなる。
食欲が低下する。
③発情期
期間:約8~14日
出血量がピークを迎える。
落ち着きがなくなる。
気性が激しくなる。
④発情後期
期間:約2ヶ月
身体が通常通りに戻る。
出血がとまる。
気性が落ち着き、いつも通りに戻る。
乳腺が張る。
ヒート中の注意事項
では、ヒート中は何に気を付けて過ごせばよいのでしょうか。
詳しくご紹介していきます。
外出時はオス犬に要注意
ヒート中はホルモンの分泌により、フェロモンが出ます。
オス犬はこのフェロモンに敏感に反応して寄ってきます。
中には、ヒート中のメス犬が外を歩いている時に、オス犬が家の2階から窓を突き破って飛び降りてしまうという事例がありました。
個体差はありますが、それほどにオス犬にとってヒート中のメス犬は魅力的だということを忘れないようにしましょう。
他にも、ヒート中のメス犬は気性が激しくなる子も多く、オス犬がしつこくすり寄ってくるとケンカに発展する可能性もあります。
また、発情期ですので妊娠も可能となります。
望まない場合は外出を極力控えるか、オス犬と出会わない時間を選んで外出しましょう。
よく陥りがちなのは、出血が止まった=ヒートが終わった と思い込んでしまうことです。
出血が止まってからもしばらくは様子を見ておく必要がありますので要注意です。
血が滴るため、マナーパンツ(オムツ)を着用しよう
発情前期から後期に入る前までは出血が続きます。
ヒート中の犬が移動すると血が滴ってしまう為、あちこちに血のシミができます。
愛犬の大好きなクッションやカーペット、ぬいぐるみやベッドまで血のにおいが染みついてしまいます。
それを避けるためにマナーパンツ(オムツ)を準備しておきましょう。
ペットショップに売ってありますし、ネット通販などでも見かけます。
ネット通販の場合はサイズに注意してください!
マナーパンツやオムツというとあまり良いイメージはないかもしれませんが、着用し慣れておくことはとても大切なことです。
今後、着用が必要な場面は多々出てきますが、着慣れていない場合、急に着用すると強いストレスになってしまいます。
現在は可愛い柄のものも販売していますので、見た目も可愛らしくて良いですよ。
また、着用する場合はこまめに取り換えることを心がけてください。
犬は綺麗好きな子が多い為、長時間つけっぱなしだと不快に感じてストレスになる可能性があります。
感染症に要注意
ヒート中はどうしても免疫力がさがってしまいます。
その為、感染症などにかかりやすいので注意しましょう。
外飼いの愛犬も、ヒート中は可能であれば屋内に入れてあげた方がよいでしょう。
ドッグランやドッグカフェには行かない
ヒート中にドッグランやドッグカフェに行くとトラブルが起きる可能性が高い為、利用を控えましょう。
そもそもヒート中の犬は利用を禁止されている場合がほとんどです。
また、利用しても他の子を傷つけるだけでなく、愛犬が傷つく可能性もあります。
避妊すれば、ヒートは訪れない
犬のヒートは一生涯続きます。
それにヒートは犬にとって辛いものです。
避妊手術を行えば、ヒートは訪れなくなります。
他にも避妊手術をすることで未然に防げる病気もあります。
なので、子供を産ませる予定がない場合は、避妊手術を行うことも選択肢の一つです。
ただ、人によって避妊手術すべきでないという考え方の人もいます。
かく言う私もその一人です。
詳しく説明すると長くなってしまいますので、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
愛犬がオス犬でもヒートのことは知っておくべき
オス犬がヒートになることはありません。
しかし、ヒート中のメス犬が近くにいると、オス犬は敏感に反応してしまいます。
散歩中にいつもと反応が違う時は注意しましょう。
例えば、
- いつもよりもしつこくにおいを嗅いでいる。
- 興奮が強い。
- いつもと違うコースに向かって引っ張って行こうとする。
- 出会った犬にしつこく寄っていく。
- 一匹の子をずっと追いかけまわす。
など。
散歩中の様子が変だと感じた場合は、いつもとコースを変えてみるのも一つの手です。
もし、直接会った子にしつこく寄る場合はすぐに引き離しましょう。
好きにさせていると大きなトラブルにつながりますし、愛犬、他の子、飼い主のみんなが傷つく結果となります。
最後に
いかがでしたか?
ヒートは犬にとって一生涯付きまとう辛いイベントでもあります。
いかにして飼い主がケアしてあげられるかで、愛犬のストレス度合いも変わってきます。
ヒートを正しく理解して、愛犬を優しくケアしてあげてくださいね。